カードローン利用中でも住宅ローンは組める?審査への影響と申込前の準備
カードローンを利用中、または過去に利用したことがある方の中には、「住宅ローンの審査に影響するのでは」と心配している方もいるでしょう。せっかく良い物件が見つかっても、カードローンが原因で借りられないのは避けたいところです。
結論から言うと、カードローンを利用していても住宅ローンを組むことは可能です。ただし、借入残高や毎月の返済額、延滞の記録、使っていないカードローンの限度額などは、住宅ローンの審査や借入可能額に影響する可能性があります。
この記事では、次の内容を解説します。
- カードローンが住宅ローン審査に影響する4つのパターン
- 返済負担率の考え方と、カードローン返済が借入可能額に与える影響
- 住宅ローン申込前にやっておきたい準備
- 住宅ローンを選ぶときの基本的なポイント
カードローンが住宅ローン審査に影響する4つのパターン

住宅ローンの審査では、年収や勤続年数などの返済能力に加えて、信用情報(クレジットやローンの契約内容・返済状況の記録)が確認されます。カードローンの利用状況は信用情報に記録されているため、次のようなケースでは審査に影響する可能性があります。
- カードローンの借入残高が大きく、毎月の返済額が多い
- カードローンの返済を延滞している、または延滞した記録がある
- 過去に債務整理などの金融事故がある
- 使っていないカードローンの契約(限度額)が残っている
借入残高が大きく、毎月の返済額が多い
住宅ローンの審査では、年収に対して年間の返済額がどのくらいの割合になるか(返済負担率)が重視されます。この計算には、住宅ローンだけでなくカードローンや自動車ローンなど他の借入の返済額も含まれるのが一般的です。カードローンの返済額が大きいほど、住宅ローンに充てられる余地が小さくなり、借入可能額が減ったり、審査に通りにくくなったりします。
延滞している、または延滞の記録がある
返済の遅れは信用情報に記録され、「約束どおりに返済しない人」と判断される原因になります。信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)では、契約内容や返済状況は契約期間中と契約終了後5年以内、延滞などの情報も契約期間中と契約終了後5年以内記録されます。数日の遅れでも記録が残る場合があるため、住宅購入を考えているなら、まず延滞をしないことが大前提です。
過去に債務整理などの金融事故がある
自己破産や個人再生などの記録がある場合、住宅ローンの審査はかなり厳しくなります。全国銀行個人信用情報センターでは、破産・民事再生などの官報情報は決定日から7年以内登録されます。記録が残っている期間は、住宅ローンの利用は難しいと考えておきましょう。
使っていないカードローンの契約が残っている
完済していても解約していなければ、限度額の範囲でいつでも借りられる状態が続きます。金融機関によっては、利用可能な枠そのものを将来の借入リスクとして考慮する場合があります。使う予定のないカードローンは、住宅ローンの申込前に解約を検討するとよいでしょう。
カードローンの解約手続きや、解約によるデメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
返済負担率とカードローン返済の関係

返済負担率とは
返済負担率(返済比率)とは、年収に占める年間返済額の割合です。上限の基準は金融機関や年収によって異なり、公表されていないことも多いですが、ここでは考え方を理解するために「年収の25%」を例に計算してみます。
年収400万円 × 25% = 年間返済額の上限100万円
カードローンの返済が月5万円(年間60万円)ある場合
100万円 − 60万円 = 住宅ローンに充てられる年間返済額は40万円
このように、カードローンの返済があるだけで、住宅ローンに回せる返済額が大きく減ることがあります。実際の審査では、金融機関が独自の審査金利や基準で計算するため、あくまで考え方のイメージとして捉えてください。
完済が難しい場合は返済額の見直しも
すぐに完済できない場合、毎月の返済額を抑えると返済負担率は下がります。ただし、返済期間が長くなるほど利息の総額は増えます。
| 返済期間 | 毎月の返済額 | 返済総額 |
|---|---|---|
| 1年(12回) | 約91,680円 | 約1,100,160円 |
| 5年(60回) | 約25,393円 | 約1,523,606円 |
※当サイトによる単純計算の目安です。実際の返済額は適用金利や返済方式によって変わります。
返済期間を延ばすと毎月の負担は軽くなりますが、利息は約42万円増えます。住宅ローンの審査のためだけに返済を長期化するのではなく、できる範囲で完済を目指すのが基本です。
複数のカードローンがある場合
複数社から借りている場合は、金利の低いローンにまとめて返済額や金利を下げる方法もあります。ただし、まとめた後に追加で借りてしまうと逆効果です。複数の借入をまとめる方法とメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
住宅ローンの申込前にやっておきたい準備
1. カードローンをできるだけ完済する
借入残高をなくせば、返済負担率の計算からカードローンの返済額を外せます。完済が難しい場合も、繰上返済で残高を減らしておくと有利です。
2. 使っていないカードローンを解約する
完済したカードローンや、使う予定のないカードローンは解約を検討しましょう。クレジットカードのキャッシング枠も同様に、不要なら枠をなくすことを検討します。
3. 信用情報を開示して確認する
自分の信用情報は、CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターに本人が開示請求できます。延滞の記録が残っていないか、身に覚えのない契約がないかを確認しておけば、審査に落ちたときの原因も推測しやすくなります。開示の方法や手数料は各機関の公式サイトで確認してください。
4. 短期間に何社も申し込まない
ローンの申込情報は、CIC・JICCでは照会日から6か月記録されます。住宅ローン以外のローンやクレジットカードへの申込が直前に重なると、審査で不利に見られる可能性があります。
5. 毎月の支払いを遅らせない
カードローンだけでなく、クレジットカードやスマホ端末の分割払いも信用情報に記録されます。住宅購入を考え始めたら、すべての支払いを期日どおりに続けることが大切です。
6. 申込時に借入状況を正直に申告する
住宅ローンの申込書には、他の借入の状況を記入する欄があるのが一般的です。カードローンの残高を書かずに申し込んでも、金融機関は信用情報を照会するため、申告内容との食い違いが分かる可能性があります。申告漏れは「虚偽の申告をした」と受け止められ、審査で不利になりかねません。完済前であれば残高を正確に記入し、完済・解約を予定している場合はその旨を相談しましょう。
7. 頭金や諸費用の資金計画を立てる
住宅購入では、物件価格のほかに登記費用、保証料、火災保険料、引越し費用などの諸費用がかかります。これらをカードローンでまかなうと、住宅ローンの審査や入居後の家計に影響します。頭金や諸費用は自己資金で準備できるよう、早めに資金計画を立てておきましょう。
銀行カードローンを住宅ローンにまとめられる?
住宅ローンは住宅の購入などに使い道が限られたローンで、カードローンの返済資金を上乗せして借りられると考えるのは避けたほうがよいでしょう。取り扱いは金融機関ごとに異なるため、カードローンの残高がある場合は、住宅ローンの相談時に正直に伝えたうえで対応を確認してください。
住宅ローン審査に落ちたときの見直しポイント
住宅ローンの審査に通らなかった場合、金融機関から理由を詳しく説明されることは通常ありません。次の点を順に見直してみましょう。
| 確認すること | 見直しの方向 |
|---|---|
| カードローンなど他の借入の返済額 | 完済・残高の圧縮で返済負担率を下げる |
| 使っていないカードローンやキャッシング枠 | 解約や枠の削除を検討する |
| 信用情報の延滞・債務整理の記録 | 開示して内容と登録期間を確認する |
| 借入希望額と年収のバランス | 物件価格や借入額を見直し、頭金を増やす |
| 直近のローン・カードの申込 | 申込情報の記録期間(6か月)を過ぎてから再申込する |
審査基準は金融機関ごとに異なるため、ある金融機関で通らなくても、別の金融機関では通る場合があります。ただし、短期間に何社も申し込むのは逆効果になり得るため、原因を見直したうえで申込先を選びましょう。
住宅ローンを選ぶときの基本的なポイント

金利だけでなく諸費用も含めて比較する
住宅ローンは借入額が大きく返済期間も長いため、わずかな金利差でも総返済額に大きな差が出ます。ただし、表示されている金利だけでなく、保証料、事務手数料、団体信用生命保険の条件、繰上返済の手数料なども含めた総費用で比較することが大切です。
金利タイプの特徴を理解する
| 金利タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 全期間固定型 | 完済まで金利が変わらない。返済計画を立てやすいが、借入時の金利は変動型より高めになりやすい |
| 変動型 | 借入時の金利は低めだが、市場金利の動きで金利が見直される。金利上昇時の返済額増加に備える必要がある |
| 固定期間選択型 | 一定期間(例:5年・10年)だけ金利を固定。期間終了後に固定か変動かを選び直す |
変動型の金利や返済額の見直しルールは金融機関によって異なります。将来の教育費などの支出が増える時期と合わせて、金利が上がった場合でも返済を続けられるかを確認しておきましょう。
住宅ローン減税も確認しておく
住宅ローン減税は、令和8年度の改正で適用期限が延長され、2026年1月1日〜2030年12月31日に入居した人が対象です。控除率は年末ローン残高の0.7%で、住宅の省エネ性能などによって借入限度額や控除期間が変わります。なお、以前あった「すまい給付金」は申請受付が終了しています。
住宅ローン控除とすまい給付金の違いや、現在の制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ:カードローンは「完済・解約・延滞なし」で住宅ローンに備えよう

カードローンと住宅ローンの関係について、ポイントを整理します。
- カードローン利用中でも住宅ローンは組めるが、審査や借入可能額に影響することがある
- カードローンの返済額は返済負担率の計算に含まれ、住宅ローンの借入可能額を減らす
- 延滞情報は契約終了後5年以内、破産などの官報情報は最長7年記録される
- 使っていないカードローンは解約を検討する
- 申込前に信用情報を開示して確認しておくと安心
住宅の購入を考え始めたら、まずはカードローンの返済計画を見直し、「完済→解約→住宅ローン申込」の順で準備するのが理想です。
カードローンの利用が賃貸物件の入居審査に影響するかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。




















