個人事業主のカードローン審査で見られる点|確定申告書の準備と注意点
個人事業主やフリーランスの方の中には、「会社員よりカードローンの審査が厳しいのでは」と不安に感じている方もいるでしょう。実際には、会社員と同じように申し込むことができますが、収入を書類で示す方法や、審査で確認されやすいポイントには違いがあります。
この記事では、次の点を解説します。
- 個人事業主のカードローン審査で見られやすいポイント
- 確定申告書など収入証明書類の準備
- 開業して間もない場合の考え方
- 限度額・増額と、事業資金との使い分け
- 利用するときの注意点
結論として、個人事業主がカードローンの審査で重視されやすいのは「収入の安定性を書類で示せるか」です。確定申告書の控えなどを用意し、収入に見合った金額で申し込むことが基本になります。なお、個人向けカードローンは事業性資金に使えない商品が多いため、事業資金が必要な場合は事業者向けの商品を検討しましょう。
個人事業主のカードローン審査で見られやすいポイント

審査の基準は各社とも公表していませんが、一般的には次のような点が確認されると考えられます。
収入の安定性
会社員は給与明細や源泉徴収票で毎月の収入を示せますが、個人事業主は月ごとの収入に波があることが多く、収入の安定性を書類で示すことが重要になります。確定申告書の控えなどで、一定の所得が継続していることを確認されるのが一般的です。
事業を続けている期間
開業からの期間が長いほど、事業が継続しており、今後も収入が見込めると判断されやすいと考えられます。会社員の勤続年数に近い考え方です。
信用情報
ローンやクレジットカード、スマホ端末の分割払いなどの利用状況は、信用情報機関に登録されています。延滞などの情報は契約終了後も最長5年程度残り、審査に影響します。個人の支払いだけでなく、事業で使っているクレジットカードの支払いにも遅れがないよう注意しましょう。
他の借入れの状況
すでに他社から借入れがある場合は、その返済額も考慮されます。消費者金融などの貸金業者からの借入れには総量規制があり、借入残高の合計は年収の3分の1までに制限されます。
年収が少ない場合にカードローンを利用できるかどうかは、こちらの記事で解説しています。
確定申告書など収入証明書類の準備

収入証明書類が必要になる条件
貸金業者(消費者金融など)では、次のいずれかに該当する場合に収入を証明する書類の提出が必要です。
- 1社からの借入れ(利用限度額)が50万円を超える場合
- 他社の借入れと合わせて100万円を超える場合
これ以下の金額でも、審査の過程で就業状況の確認などのために提出を求められることがあります。たとえばアイフルやSMBCモビットは、審査の過程で必要と判断した場合にも提出を依頼すると公式に案内しています。
銀行カードローンでは、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・千葉銀行は50万円超、横浜銀行・auじぶん銀行は60万円以上を基準としています。
※2026年10月時点の情報です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
個人事業主の主な収入証明書類
個人事業主の場合、主に次のような書類が収入証明書類として使われます。
- 確定申告書の控え(税務署の受付が確認できるもの、またはe-Taxの受信通知など)
- 市区町村が発行する課税証明書(所得証明書)
- 納税証明書
どの書類が使えるかは各社で異なるため、申込み前に公式サイトの必要書類の案内を確認しましょう。
所得を低く抑えすぎていないか
審査で見られるのは、売上ではなく、経費を差し引いた所得であることが一般的です。節税のために経費を多く計上して所得が小さくなっていると、それだけ返済能力が低いと判断されやすくなります。ローンの利用予定がある場合は、この点も意識しておくとよいでしょう。
複数年分の書類があると安定性を示しやすい
1年分の書類だけでは、たまたま売上が多かった年なのか、安定して収入がある事業なのかが分かりにくいこともあります。複数年分の確定申告書を用意できると、事業の継続性や収入の安定性を説明しやすくなります。
開業して間もない場合の考え方
開業1年目で確定申告をまだ行っていない場合は、収入を証明する書類を用意しにくく、審査で収入の安定性を示すのが難しくなります。
- まずは開業後の最初の確定申告を済ませ、所得を書類で示せる状態にする
- 会社員時代から使っているカードローンやクレジットカードがあれば、支払いを遅らせずに利用を続ける
- 生活費が不足しそうな場合は、開業前に資金計画を立てておく
開業直後の資金不足には、カードローンよりも、自治体の創業支援や公的な創業融資の相談窓口を活用するほうが適している場合もあります。
限度額と増額の考え方
はじめは限度額が低めになることもある
カードローンの限度額は審査で決まります。消費者金融の場合は総量規制により年収の3分の1が上限で、収入の安定性に応じて、それより低い金額に設定されることも珍しくありません。
増額は利用実績を積んでから
契約後、延滞せずに返済を続けて利用実績を積むと、増額を申請できる場合があります。ただし、増額の際にも改めて審査が行われ、収入証明書類の提出を求められることがあります。必要以上に枠を増やすと借りすぎにつながるため、本当に必要な場合に限って検討しましょう。
個人向けカードローンと事業資金の使い分け

個人向けカードローンは事業性資金に使えないことが多い
個人向けのカードローンは「使い道自由」とされていても、事業性資金は除外されているのが一般的です。三菱UFJ銀行・みずほ銀行・楽天銀行などのカードローンも、資金使途から事業性資金を除いています。仕入れや設備投資などの事業資金には、事業者向けの商品を利用しましょう。
事業資金なら事業者向けローンを検討する
貸金業者の事業者向けローン(ビジネスローン)は、個人事業者への貸付けとして総量規制の「例外貸付」に該当する場合があり、一定の要件を満たせば年収の3分の1を超えて借りられることがあります。
たとえばアイフルグループには、事業者向けの融資を行うAGビジネスサポート株式会社(2023年2月に旧アイフルビジネスファイナンスから社名変更)があります。事業者向けローンでの追加融資や増額の考え方については、こちらの記事で解説しています。
また、アイフル本体でも事業者向けの「事業サポートプラン」(個人・法人プランともに3.0%〜18.0%、1万円〜500万円)を扱っています。
※2026年10月時点の情報です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
日本政策金融公庫などの公的融資や銀行の事業性融資は、金利が低い傾向がある一方、事業計画書などの書類が必要で、融資までに時間がかかるのが一般的です。
生活資金と事業資金で借入方法をどう選ぶかは、こちらの記事でまとめています。
利息の扱いにも違いがある
事業のために借りたお金の利息は、経費に計上できる場合があります。一方、生活費のために借りたお金の利息は経費になりません。カードローンの利息を経費にできるかの考え方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
個人事業主がカードローンを利用するときの注意点

長期間借りると利息の負担が大きくなる
カードローンの金利は、大手消費者金融で年18.0%前後、銀行カードローンでも上限は年14%前後のものが一般的です。公的融資などと比べると高く、長く借りるほど利息は増えます。
たとえば50万円を3年(36回)で返済する場合、年18.0%なら返済総額は約650,743円、年14.5%なら約619,578円です(元利均等返済で試算)。余裕のある月に多めに返済するなど、早めの完済を心がけましょう。
収入が少ない月を基準に返済計画を立てる
個人事業主は月ごとの収入に波があります。返済計画は収入が多い月ではなく、少ない月でも返せる金額を基準に立てましょう。返済用の資金を事業用の口座と分けて管理するのも有効です。
生活費と事業資金を混同しない
個人向けカードローンで借りたお金を事業に使うと、契約違反にあたるおそれがあるほか、お金の流れが分かりにくくなり、帳簿の管理も難しくなります。生活資金と事業資金は口座や借入先を分けて管理しましょう。
申告内容を偽らない
収入や事業内容を実際と異なる内容で申告すると、書類や信用情報との照合で判明し、審査に通らないだけでなく、悪質な場合は詐欺などに問われるおそれがあります。
返済が苦しくなったら早めに相談
返済が難しくなりそうなときは、延滞する前に借入先に相談しましょう。日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター(0570-051-051)や法テラスでも相談を受け付けています。
まとめ:収入を書類で示し、使い道に合ったローンを選ぼう

個人事業主のカードローン利用について、ポイントをまとめます。
- 審査では収入の安定性、事業の継続期間、信用情報、他の借入れが見られやすい
- 確定申告書の控えや課税証明書などで、所得を書類で示せるよう準備する
- 開業間もない場合は、最初の確定申告を済ませてからのほうが収入を示しやすい
- 限度額は収入に応じて低めになることもあり、増額は利用実績を積んでから
- 個人向けカードローンは事業性資金に使えないことが多く、事業資金は事業者向けローンや公的融資を検討する
- 収入の波を考えた返済計画を立て、借りすぎに注意する
個人事業主でも、収入を適切に示せればカードローンを利用できる可能性はあります。使い道と返済計画を明確にしたうえで、自分に合った借入方法を選びましょう。




















