失業中・無職でお金を借りられる?カードローンの可否と使える公的制度

会社を辞めて転職活動中の方や、病気などで退職して収入が途絶えた方の中には、「生活費が足りないけれど、今の状態で借りられるのか」と悩んでいる方もいるでしょう。
結論から言うと、失業中で本人に収入がない場合、消費者金融や銀行のカードローンは原則として利用できません。その代わり、失業中の人を対象にした給付や、無利子・低利の公的な貸付があります。まずはこれらを確認するのが現実的です。
この記事で分かることは次のとおりです。
- 失業中にカードローンを利用できない理由
- 失業中に受け取れる給付(雇用保険・職業訓練受講給付金など)
- 失業中でも借りられる可能性がある公的な貸付
- 「無職でも借りられる」とうたう業者の危険性
- 退職前・再就職後にカードローンを使う場合の注意点
失業中にカードローンは利用できる?
消費者金融:収入がないと借りられない
消費者金融などの貸金業者には、貸金業法の「総量規制」が適用されます。貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合、新たな貸付はできません。
収入がない場合は「年収の3分の1」が0円になるため、借りることはできません。実際に大手消費者金融は、いずれも申込条件に「安定した収入があること」を挙げています。
銀行カードローン:総量規制の対象外でも収入が条件
銀行のカードローンは貸金業法の総量規制の対象外ですが、多くの銀行が申込条件に「安定した収入があること」を挙げ、保証会社の保証を受けられることも求めています。本人に収入がない失業中の状態では、審査に通るのは難しいと考えましょう。
一部の銀行カードローンでは、本人に収入がなくても配偶者に安定した収入があれば申し込める商品もあります(限度額は50万円までなど)。ただし、取り扱いは銀行ごとに異なり、明記していない銀行も多くあります。
失業中の嘘の申告は絶対にしない
「勤務中と書けば借りられるのでは」と考えるのは危険です。勤務先や年収を偽って申し込むと、契約後でも一括返済を求められたり、詐欺に問われたりするおそれがあります。在籍を偽装する「アリバイ会社」の利用も同様に危険です。
まず確認したい失業中の給付

借りる前に、返済の必要がない給付を受け取れないか確認しましょう。
雇用保険の基本手当(失業給付)
雇用保険に加入していた人は、ハローワークで手続きをすると、求職中の生活を支える基本手当を受け取れる場合があります。受給できる日数や金額、受け取り開始までの期間は、加入期間や退職理由、年齢によって異なります。退職したら、離職票を受け取り次第、早めにハローワークで手続きしましょう。
60歳以上で再就職し、賃金が下がった場合に受け取れる給付については、こちらの記事で詳しく解説しています。
職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
雇用保険を受給できない人などが、ハローワークの支援指示で職業訓練を受ける場合に、月10万円の職業訓練受講手当と通所手当などが支給される制度です。本人収入が月8万円以下、世帯収入が月30万円以下、世帯の金融資産が300万円以下などの要件があります。
この給付金の支給決定を受けた人は、労働金庫の「求職者支援資金融資」で生活費を借りられる場合もあります(年3.0%、単身者は月5万円・家族がいる場合は月10万円が上限)。制度の条件や手続きについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
病気で退職した場合の傷病手当金
病気やけがで働けずに退職した場合は、条件を満たせば退職後も健康保険の傷病手当金を受け取れることがあります。資格喪失日の前日までに継続して1年以上の被保険者期間があること、退職日に出勤していないことなどが条件です。失業給付とは同時に受け取れないため、どちらを先に受けるかはハローワークと健康保険に確認しましょう。
失業中でも借りられる可能性がある公的な貸付
給付だけでは足りない場合は、民間ローンではなく公的な貸付を検討します。
生活福祉資金貸付制度(総合支援資金・緊急小口資金)
低所得世帯などを対象に、都道府県社会福祉協議会が行う貸付です。窓口は市区町村の社会福祉協議会です。
| 種類 | 用途 | 限度額 |
|---|---|---|
| 生活支援費 | 生活を立て直すまでの生活費 | 二人以上の世帯:月20万円以内 単身:月15万円以内 (原則3か月、最長12か月) |
| 住宅入居費 | 敷金・礼金など住宅の賃貸契約に必要な費用 | 40万円以内 |
| 一時生活再建費 | 生活の再建に一時的に必要な費用(就職のための技能習得など) | 60万円以内 |
総合支援資金の金利は、連帯保証人がいれば無利子、いなければ年1.5%です。据置期間は最終貸付日から6か月以内、返済期間は据置後10年以内です。
急いでいる場合は、10万円以内を無利子・保証人不要で借りられる緊急小口資金もあります。いずれも、原則として自治体の自立相談支援事業を利用することが要件です。返済の見込みも判断材料になるため、まずは窓口で相談しましょう。
臨時特例つなぎ資金貸付制度
住居のない離職者で、失業等給付や住居確保給付金などの申請が受理され、支給が始まるまでの生活に困っている人が対象です。10万円以内を無利子・連帯保証人不要で借りられます。制度の詳細については、こちらの記事で詳しく解説しています。
母子父子寡婦福祉資金貸付金
ひとり親家庭の場合は、自治体の母子父子寡婦福祉資金貸付金も使える可能性があります。生活資金や技能習得資金、転宅資金などがあり、連帯保証人がいれば無利子、いなければ年1.0%(修学資金などは無利子)です。窓口は福祉事務所などです。
生命保険の契約者貸付
解約返戻金のある生命保険(終身保険など)に加入している場合、解約返戻金の一定範囲内で保険会社からお金を借りられることがあります。手続きが比較的簡単な一方、利息がかかり、返済しないまま残高が増えると保険が失効するおそれもあります。借入可能額や利率は保険会社や契約によって異なるため、加入先に確認してください。
「無職でも借りられる」業者は利用しない

インターネットやSNSには、「無職でもOK」「審査なし」などとうたう業者や個人がいます。こうした相手は、無登録で営業するヤミ金の可能性が高いため、絶対に利用しないでください。
金融庁は、SNSや掲示板での「個人間融資」や、「給与ファクタリング」と称する違法な貸付に注意を呼びかけています。違法な高金利や悪質な取り立てで、生活がさらに苦しくなるおそれがあります。
金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016-811
日本貸金業協会:0570-051-051
消費者ホットライン:188
警察相談専用電話:#9110
退職前・再就職後にカードローンを使う場合の注意点

退職前に「借りておく」のは慎重に
退職前で収入があるうちは審査に通る可能性がありますが、借りたあとの返済は退職後も毎月続きます。次の仕事が決まっていない状態で借りると、返済が滞って信用情報に延滞が記録されたり、借入が膨らんだりするおそれがあります。
退職前に借りるのは、転職先が決まっていて、返済計画を具体的に立てられる場合に限りましょう。
再就職後は、収入が安定してから検討する
再就職して安定した収入が得られるようになれば、パート・アルバイトでもカードローンの申込条件を満たす可能性があります。ただし、勤続期間が短いと審査で慎重に判断されることもあります。
短期の仕事や日雇いの収入でカードローンを利用できるかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
返済が苦しくなったときは、借入を重ねる前に日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターや法テラスに相談してください。
まとめ:失業中は「給付」と「公的貸付」を優先しよう

- 失業中で収入がないと、消費者金融は総量規制により借りられない
- 銀行カードローンも安定収入が条件で、失業中の審査通過は難しい
- まずは雇用保険の基本手当、職業訓練受講給付金、傷病手当金など返済不要の給付を確認する
- 足りない場合は、生活福祉資金、臨時特例つなぎ資金、母子父子寡婦福祉資金などの公的貸付を検討する
- 「無職でも借りられる」とうたう業者はヤミ金の可能性が高く、利用しない
- カードローンは再就職して収入が安定してから、返済計画を立てて利用する
失業中は、収入がない状態で借金を増やさないことが何より大切です。ハローワーク、社会福祉協議会、自治体の相談窓口を頼りながら、生活を立て直していきましょう。




















