県民共済でお金は借りられる?契約者貸付がない理由と代わりの借入方法

「県民共済に加入しているけれど、生命保険のように契約者貸付でお金を借りられないの?」と考えている方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、都道府県民共済(県民共済)には、契約者貸付のようにお金を借りられる仕組みは基本的にありません。県民共済の生命共済には解約返戻金がないためです。
この記事では、次の内容を解説します。
- 県民共済でお金を借りられない理由
- 生命保険の「契約者貸付」の仕組みとメリット・デメリット
- 県民共済の加入者がお金を用意したいときの選択肢
県民共済ではお金を借りられない
県民共済には解約返戻金がない
県民共済は、全国生活協同組合連合会(全国生協連)と各都道府県の生協が運営する共済です。掛金が手頃で保障がシンプルな点が特徴ですが、その分、貯蓄性はありません。
たとえば埼玉県民共済の生命共済の「しおり」には、「この共済には解約返戻金はありません」と明記されています。また、契約者貸付や貸付制度についての記載もありません。
契約者貸付の「元手」がない
生命保険の契約者貸付は、解約したときに戻ってくる「解約返戻金」の範囲内でお金を借りる仕組みです。県民共済には解約返戻金がないため、貸付の元手となるお金がなく、契約者貸付の仕組みもないと考えられます。
なお、県民共済では、決算で剰余金が出た場合に「割戻金」として掛金の一部が毎年戻ってきます。ただし、これは借入ではなく、時期も決まっているため、急な出費の資金としては使いにくいでしょう。
※全国生協連が「貸付なし」と明言した資料は確認できていません。正確な情報は、加入している県民共済の窓口でご確認ください。
公務員の「共済組合」とは別物
名前が似ている「共済組合」は、公務員などが加入する別の組織です。公務員の共済組合には、組合員向けの低金利の貸付制度があります。詳しくは、こちらの記事で解説しています。
生命保険の「契約者貸付」とは

県民共済とは別に、民間の終身保険や養老保険、個人年金保険など、解約返戻金がある保険に加入している場合は、「契約者貸付」を利用できる可能性があります。
保険を途中で解約したときに、契約者に払い戻されるお金のことです。保険の種類や加入年齢、加入してからの年数によって金額が変わり、加入から間もない時期は、払い込んだ保険料より少ないのが一般的です。
契約者貸付の仕組み
契約者貸付は、解約返戻金の一定の範囲内で、保険会社からお金を借りられる制度です。借りられる金額の上限や金利は保険会社や契約によって異なります。
掛け捨て型の医療保険や定期保険など、解約返戻金がない(または少ない)保険では利用できません。自分の保険で使えるかどうかは、保険証券やご契約内容のお知らせ、保険会社の窓口で確認しましょう。
契約者貸付のメリット
- 保障を続けたまま借りられる:保険を解約せずに資金を用意できる
- 新たなローン審査は通常不要:自分の解約返戻金が元手のため、手続きが比較的簡単
- 金利がカードローンより低い傾向:契約時の予定利率などをもとに決まることが多い
- 返済の時期を比較的自由に決められる:一括でも分割でも返済できる場合が多い
契約者貸付のデメリット・注意点
- 利息が元金に組み込まれる:返済しないでいると、未払いの利息が元金に加わり、借入残高が増えていくのが一般的
- 上限を超えると保険が失効するおそれ:借入残高と利息の合計が解約返戻金を超え、指定の期日までに支払わないと、保険契約が失効する場合がある
- 保険金・給付金から差し引かれる:借入が残っている間に保険金や満期金を受け取ると、借入残高が差し引かれる
契約者貸付は手軽に使える反面、返済しないまま放置すると、いざというときの保障が減ってしまいます。借りた場合は、できるだけ早めに返済しましょう。
契約者貸付を利用する手順
手続きの方法は保険会社によって異なりますが、一般的には次のような流れです。
- 保険会社のコールセンターや契約者向けサイトで、借りられる金額(貸付可能額)と金利を確認する
- Web、電話、書面などで申し込む
- 指定した口座に貸付金が振り込まれる
- 都合のよいタイミングで、振込やATMなどで返済する
契約者向けのWebサービスから手続きでき、比較的早く入金される保険会社もあります。借りる前に、貸付可能額と金利、利息の計算方法を必ず確認しておきましょう。
解約するのとどちらがよい?
契約者貸付は「保障を続けたい」場合に向いた方法です。一方、保障が不要になった保険であれば、解約して解約返戻金を受け取るほうが、利息がかからない分シンプルな場合もあります。ただし、一度解約すると、年齢や健康状態によっては同じ条件で入り直せないことがあるため、慎重に判断しましょう。
県民共済の加入者がお金を用意する方法

県民共済で借りられない場合でも、状況に応じて次のような方法があります。
定期預金を担保に借りる
定期預金がある方は、それを担保にお金を借りられる「総合口座の貸越」を利用できる場合があります。たとえばゆうちょ銀行では、担保の貯金の預入金額の90%以内(1口座300万円まで)で、担保が定期貯金なら約定金利に0.5%を上乗せした利率で借りられます。定期預金を解約せずに済み、金利も低いのが特徴です。
定期預金を担保にする方法の詳しい仕組みと注意点は、こちらの記事で解説しています。
生活費に困っているなら公的な貸付制度を相談する
生活費が足りなくて困っている場合は、社会福祉協議会が窓口の「生活福祉資金貸付制度」を利用できる可能性があります。
| 資金の種類 | 内容 | 貸付の上限 | 利子 |
|---|---|---|---|
| 緊急小口資金 | 緊急かつ一時的に生計の維持が困難になった場合の少額の費用 | 10万円以内 | 無利子 |
| 総合支援資金(生活支援費) | 生活を立て直すまでの生活費 | 単身:月15万円以内 二人以上:月20万円以内 |
連帯保証人ありは無利子 なしは年1.5% |
| 総合支援資金(一時生活再建費) | 生活再建のために一時的に必要で、日常の生活費でまかなえない費用 | 60万円以内 |
総合支援資金と緊急小口資金は、原則として市区町村の自立相談支援機関の利用が要件です。返済の見込みも審査されます。まずはお住まいの地域の社会福祉協議会や自立相談支援機関に相談しましょう。
一時的な少額の借入ならカードローンも選択肢
収入が安定していて、短期間で返せる少額の借入であれば、カードローンを利用する方法もあります。消費者金融の中には、はじめて契約する方を対象に無利息期間を設けているところがあります。
たとえばアコムは、はじめて契約する方なら契約日の翌日から30日間は利息がかかりません。金利は実質年率2.4%〜17.9%で、申込みは20歳から72歳までの安定した収入がある方が対象です。
ただし、無利息期間を過ぎると通常の金利がかかり、消費者金融からの借入は総量規制により年収の3分の1までに制限されます。「いつまでに、いくらずつ返すか」を決めてから申し込みましょう。
※2026年10月時点の情報です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
アコム

| 審査時間 | 最短20分 | 融資時間 | 最短20分 |
|---|---|---|---|
| 利用限度額 | 最大800万円 | 実質年率 | 3.0%~18.0% |
アコムは、はじめての契約なら契約日の翌日から30日間無利息。短期間で返せる少額の借入に検討できます。
年金を受給している方がカードローンなどで借りられるかどうかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ

- 県民共済には解約返戻金がなく、契約者貸付のようにお金を借りる仕組みは基本的にない
- 毎年の割戻金はあるが、借入ではなく急な出費には使いにくい
- 解約返戻金のある民間の生命保険なら、契約者貸付を利用できる可能性がある
- 契約者貸付は保障を続けたまま借りられるが、放置すると残高が増え、失効や保険金の減額につながる
- 定期預金がある方は、定期預金を担保に低金利で借りる方法もある
- 生活費に困っているなら、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度を相談する
- 短期の少額借入なら、カードローンの無利息期間を返済計画とあわせて検討する
県民共済は「借りる」ための仕組みではなく、保障のための共済です。お金が必要なときは、加入している保険や預金、公的制度を確認し、自分に合った方法を選びましょう。



















