求職者支援資金融資とは?職業訓練中に借りる条件・金利3%・手続きの流れ

ハローワークの職業訓練を受けながら再就職を目指していても、職業訓練受講給付金だけでは生活費が足りないことがあります。そうした人のための公的な融資が「求職者支援資金融資」です。
結論から言うと、求職者支援資金融資は職業訓練受講給付金の支給決定を受けた人が、労働金庫(ろうきん)から年3.0%で生活費を借りられる制度です。上限は家族がいる場合は月10万円、単身者などは月5万円で、訓練終了後に返済します。
この記事で分かることは次のとおりです。
- 求職者支援資金融資の仕組みと、借りられる金額・金利・返済方法
- 前提となる職業訓練受講給付金の要件
- ハローワークでの要件確認から融資までの流れ
- 利用する前に知っておきたい注意点
※金額や条件は2026年10月時点で確認できた情報です。最新の内容はハローワークや労働金庫でご確認ください。
求職者支援資金融資とは
求職者支援資金融資は、求職者支援制度の職業訓練受講給付金を受ける人を対象にした貸付制度です。給付金だけでは訓練期間中の生活費が足りない場合に、労働金庫から融資を受けられます。
返済が必要な「借金」である点は、返済不要の給付金とは異なります。
融資の内容
| 対象 | 職業訓練受講給付金の支給決定を受け、ハローワークで「求職者支援資金融資要件確認書」の交付を受けた人 |
|---|---|
| 借入上限 | 配偶者・子・父母(同居、または生計を一にする別居)がいる場合:月10万円 単身者など:月5万円 |
| 借入額の計算 | 受講予定の訓練月数(最大12か月)に応じて計算し、1万円単位 |
| 金利 | 年3.0%(信用保証料0.5%を含む) |
| 遅延損害金 | 年14.5% |
| 返済方法 | 訓練終了月の3か月後までは利息のみ。その後は元利均等返済で、貸付日から5年以内(借入額50万円以上は10年以内) |
| 年齢の条件 | 最終返済時の年齢が65歳まで |
| 審査 | 労働金庫の審査に通る必要がある |
借りられる金額の例
例えば、単身者が6か月の職業訓練を受ける場合、上限は「月5万円×6か月=30万円」が目安です。家族がいて12か月の訓練を受ける場合は、「月10万円×12か月=120万円」が目安になります。実際の借入額は、労働金庫の審査を経て決まります。
金利は低いが、遅れると負担が大きい
金利の年3.0%は、民間のカードローンなどと比べると低い水準です。一方で、返済が遅れると年14.5%の遅延損害金がかかります。訓練後の就職先の収入から、無理なく返せる金額だけを借りるようにしましょう。
前提となる「職業訓練受講給付金」の要件

求職者支援資金融資を利用するには、まず職業訓練受講給付金の支給決定を受ける必要があります。
職業訓練受講給付金の内容
職業訓練受講給付金は、雇用保険を受給できない求職者などが、ハローワークの支援指示を受けて職業訓練(求職者支援訓練・公共職業訓練)を受講する場合に、訓練期間中の生活を支援する給付です。
- 職業訓練受講手当:月10万円
- 通所手当:訓練施設への交通費(上限42,500円)
- 寄宿手当:訓練のために家族と別居して寄宿する場合(10,700円)
主な支給要件(すべてを満たす必要がある)
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯の収入が月30万円以下
- 世帯の金融資産が300万円以下
- 現住所以外に土地・建物を所有していない
- 訓練の8割以上に出席している(やむを得ない理由の欠席を含めて判定)
- ハローワークで定期的に職業相談を受ける
- 同じ世帯に同時にこの給付金を受けて訓練中の人がいない
- 前回の受給から6年以上たっている
- 過去3年以内に、不正に給付金を受け取ったことがない
本人収入が月12万円以下かつ世帯収入が月34万円以下であれば、通所手当だけを受けられる例外もあります。金額や要件は改定されることがあるため、最新の内容はハローワークで確認してください。
申し込みから融資までの流れ
- ハローワークで職業訓練の受講と給付金の手続きをする
求職の申し込みをし、職業訓練の受講と職業訓練受講給付金の申請を行います。 - 職業訓練受講給付金の支給決定を受ける
- ハローワークで融資の要件確認を受ける
融資を希望する理由や返済の意思などが確認され、要件を満たすと「求職者支援資金融資要件確認書」が交付されます。 - 労働金庫に申し込む
要件確認書などの必要書類を持参して、労働金庫で融資を申し込みます。口座がない場合は、あわせて開設が必要になることがあります。 - 労働金庫の審査を経て融資
審査に通ると融資が実行されます。
要件確認書が交付されても、労働金庫の審査に通らなければ融資は受けられません。必要書類や融資までの期間は、ハローワークと労働金庫で事前に確認しておきましょう。
利用する前に知っておきたい注意点

給付金の支給が止まる行動に注意
職業訓練受講給付金は、訓練への出席やハローワークでの職業相談が条件です。正当な理由なく訓練を欠席したり、訓練をやめたりすると、給付金が支給されなくなることがあります。融資の契約内容にも影響する可能性があるため、訓練を続けられなくなった場合は、すぐにハローワークと労働金庫に相談しましょう。
不正受給は厳しく処分される
収入や資産を偽って給付金を受け取ると、返還を求められるだけでなく、刑事罰の対象になるおそれもあります。申告は正確に行ってください。
訓練後の返済を見据えて借りる
返済は、訓練終了月の3か月後から本格的に始まります。就職先が決まる時期や、その後の収入を見込んで、借りる金額を決めることが大切です。
求職者支援資金融資のよくある質問
Q. 雇用保険の基本手当を受けている人も利用できますか?
職業訓練受講給付金は、主に雇用保険の基本手当を受けられない人(受給を終えた人を含む)を対象にした制度です。求職者支援資金融資はこの給付金の支給決定が前提のため、基本手当を受給中の人は原則として対象になりません。基本手当を受けながら公共職業訓練を受ける場合の支援は別の仕組みになるため、ハローワークで確認しましょう。
Q. 借りたお金の返済が免除されることはありますか?
求職者支援資金融資は労働金庫からの融資のため、返済の免除はありません。訓練後に就職できなかった場合でも返済は必要です。返済が難しくなりそうなときは、遅れる前に労働金庫に相談してください。
Q. 保証人は必要ですか?
金利の3.0%には信用保証料0.5%が含まれており、保証機関の保証を受ける仕組みです。保証人の要否や必要書類の詳細は、申し込む労働金庫で確認してください。
ほかに検討できる制度
求職者支援資金融資の対象にならない場合や、融資が始まるまでの生活費が足りない場合は、次のような公的制度も確認しましょう。
- 生活福祉資金(緊急小口資金・総合支援資金):社会福祉協議会が行う貸付。緊急小口資金は10万円以内・無利子
- 臨時特例つなぎ資金貸付:住居のない離職者が、公的な給付や貸付が始まるまでの生活費を10万円以内・無利子で借りられる
公的な給付・貸付が始まるまでの生活費をつなぐ制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
失業中にお金を借りる方法全般と、カードローンが使えない理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
なお、60歳以降に基本手当を受けたあと再就職し、賃金が下がった場合に受け取れる給付については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「無職でも借りられる」「審査なし」などとうたう業者や、SNSでの個人間融資はヤミ金の可能性が高いため、絶対に利用しないでください。困ったときは、ハローワークや自治体の自立相談支援機関、日本貸金業協会(0570-051-051)、法テラスなどに相談できます。
まとめ
- 求職者支援資金融資は、職業訓練受講給付金の支給決定を受けた人が労働金庫から借りられる制度
- 上限は家族がいる場合は月10万円、単身者などは月5万円(訓練月数・最大12か月分)
- 金利は年3.0%(保証料込み)、遅延損害金は年14.5%
- 訓練終了月の3か月後までは利息のみ、その後5年以内(50万円以上は10年以内)に返済
- ハローワークで要件確認書の交付を受け、労働金庫の審査に通る必要がある
- 職業訓練受講給付金は月10万円で、本人収入月8万円以下・世帯収入月30万円以下などの要件がある
職業訓練は、新しい仕事に就くための大切な準備期間です。給付金と融資の仕組みを理解し、訓練後の返済まで見通したうえで、無理のない範囲で制度を活用しましょう。

















