定期預金担保貸付とは?借りられる金額・金利の目安と注意点を解説

定期預金(定期貯金)がある方は、それを解約しなくても、定期預金を担保にして低い金利でお金を借りられる場合があります。これが「定期預金担保貸付」で、銀行によっては「総合口座の貸越」「自動貸付」などと呼ばれています。
この記事では、次のポイントを解説します。
- 定期預金担保貸付の仕組み(いくらまで・金利はどう決まるか)
- ゆうちょ銀行・りそな銀行を例にした具体的な条件
- 借り方と返し方、返済しなかった場合どうなるか
- メリット・デメリットと、向いている人
結論として、定期預金担保貸付は「定期預金の利率+0.5%程度」という低い金利で、預金額の90%程度まで借りられるのが一般的です。ただし借りやすい分、使いすぎや満期時の自動精算には注意が必要です。
定期預金担保貸付とは
定期預金担保貸付とは、銀行に預けている定期預金を担保に、その範囲内でお金を借りられる仕組みです。
多くの場合、普通預金と定期預金をセットにした「総合口座」の機能として提供されています。普通預金の残高が足りないときに引き出しや引き落としをすると、不足分が自動的に貸し出され、普通預金の残高が「マイナス」として表示されます。
カードローンとの違い
| 定期預金担保貸付 | カードローン | |
|---|---|---|
| 担保 | 定期預金 | 不要(無担保) |
| 借りられる額 | 定期預金の90%程度まで(上限あり) | 審査で決まる利用限度額まで |
| 金利 | 定期預金の約定利率+0.25〜0.5%程度 | おおむね年1%台〜18%程度 |
| 申込み・審査 | 総合口座があれば、新たなローン審査は通常不要 | 申込みと審査が必要 |
定期預金という確実な担保があるため、金融機関の回収リスクが小さく、その分金利が低く設定されています。総合口座に定期預金を預けていれば、改めてローンを申し込んで審査を受ける必要がないのが一般的です(取扱いは金融機関によって異なります)。
いくらまで借りられる?金利は?
借りられる金額と金利は金融機関ごとに異なります。公式サイトで確認できる例を紹介します。
ゆうちょ銀行とりそな銀行の例
| 金融機関 | 借りられる金額 | 金利 |
|---|---|---|
| ゆうちょ銀行 | 担保の貯金の預入金額の90%以内 (1口座あたり300万円まで) |
担保が定期貯金:約定金利+0.5% 担保が定額貯金:約定金利+0.25% |
| りそな銀行 | 定期預金残高の90%まで (最高200万円) |
預入利率+0.5% |
※2026年10月時点の情報です。最新の条件は各金融機関の公式サイトでご確認ください。
ゆうちょ銀行の場合、貸付の期限は原則2年で、期限までに返済しないと担保の貯金で自動的に精算されます。
その他の銀行でも、「定期預金残高の90%程度・上限200万〜300万円程度」「定期預金の利率に0.5%程度を上乗せ」といった条件が多く見られますが、具体的な上限額や上乗せ金利、対象となる定期預金の種類は金融機関ごとに異なります。また、ネット銀行などでは取扱いがない場合もあるため、取引銀行に確認してください。
借りられる金額の計算例
たとえば、定期預金が100万円ある場合、その90%にあたる90万円が借りられる上限の目安になります。銀行全体の上限が200万円でも、定期預金の残高が少なければ借りられる額も少なくなります。
金利の目安
金利は「担保にした定期預金の利率+上乗せ分」で決まります。定期預金の利率は時期によって変動するため、実際に適用される金利は、借りる時点の定期預金の利率で確認しましょう。いずれにしても、無担保のカードローンと比べると大幅に低い金利で借りられるのが一般的です。
定期預金担保貸付の借り方・返し方
借り方:普通預金の残高不足時に自動で貸し出される
総合口座の場合、特別な申込みをしなくても、普通預金の残高を超えて引き出したり、公共料金・クレジットカード代金などの引き落としがあったりすると、不足分が自動的に貸し出されます。通帳には残高がマイナスで記載されます。
自動貸越の機能の有無や、利用に申込みが必要かどうかは金融機関によって異なります。総合口座を開設していない場合や、定期預金を別の口座で管理している場合は利用できないこともあります。
返し方:普通預金に入金すると自動で返済される
返済の手続きも基本的に不要です。普通預金に入金すると、マイナス分に自動的に充てられます。残高がプラスに戻れば返済完了です。給与や年金の振込がある口座であれば、その入金で自動的に返済されることになります。
返済しないとどうなる?
返済期限(定期預金の満期日や、ゆうちょ銀行のように一定の期限)までに返済しない場合、担保の定期預金から自動的に精算(相殺)されます。この場合、定期預金はその分減ってしまいます。
定期預金を自動継続にしている場合の扱いなど、細かなルールは金融機関によって異なるため、契約内容を確認しておきましょう。
定期預金担保貸付のメリット

定期預金を解約せずにお金を用意できる
定期預金を途中で解約すると、中途解約利率が適用されて利息が少なくなるのが一般的です。定期預金担保貸付なら、定期預金を続けたままお金を用意できるため、満期まで預けておきたい方に向いています。
金利が低い
担保があるため、無担保のカードローンより金利は大幅に低く設定されています。数か月単位でお金が必要な場合でも、利息の負担を抑えやすいのが利点です。
新たなローン審査や申込みが原則不要
総合口座に定期預金があれば、改めてローンの申込みをしなくても使えるのが一般的です。急な引き落としで残高が足りないときにも、自動的に不足分が貸し出されるため、引き落とし不能を防げます。
同じように「自分が持っている資産や制度を活用して低い金利で借りる」方法として、公務員の方が利用できる共済組合の貸付制度もあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
定期預金担保貸付のデメリット・注意点
定期預金が少ないと借りられる額も少ない
借りられるのは定期預金の90%程度までです。定期預金がない、または少ない場合は、ほとんど利用できません。
気づかないうちに借りている場合がある
自動で貸し出される仕組みのため、残高不足に気づかないまま借入をしていることがあります。通帳やアプリで残高がマイナスになっていないか、定期的に確認しましょう。
借りやすいため使いすぎに注意
ATMで普段どおり引き出すだけで借りられるため、借金をしている感覚が薄くなりがちです。低金利とはいえ利息はかかるので、返済のめどを立てて計画的に利用しましょう。
返済しないと定期預金が減る
期限までに返済しないと、定期預金から自動的に精算されます。「将来のために貯めていたお金」が減ってしまうことになるので、できるだけ早めに返済しておくと安心です。
なお、保険の解約返戻金を担保にお金を借りる「契約者貸付」も似た仕組みです。県民共済などの共済で借りられるかどうかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
短期間だけ借りたい場合はカードローンの無利息期間も比較を
定期預金担保貸付は低金利ですが、数日〜1か月程度で返せる少額の借入であれば、消費者金融カードローンの「無利息期間」を使う方法もあります。
たとえばアイフルは、はじめて契約する方を対象に、契約日の翌日から30日間は利息がかからないサービスを用意しています(キャッシングローンのみ)。期間内に全額返済すれば、利息は発生しません。
ただし、カードローンには審査があり、無利息期間を過ぎると通常の金利(アイフルは実質年率3.0%〜18.0%)がかかります。消費者金融からの借入は総量規制により年収の3分の1までに制限される点も理解したうえで、返済計画を立てて利用しましょう。
※2026年10月時点の情報です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
アイフル

| 審査時間 | 最短9分 ※申込手続き完了時点から計測した最短時間であり、申込時間や審査状況などにより異なります。 |
融資時間 | 最短9分 ※申込手続き完了時点から計測した最短時間であり、申込時間や審査状況などにより異なります。 |
|---|---|---|---|
| 利用限度額 | 500万円 | 実質年率 | 4.5%~18% |
アイフルは、はじめて契約する方なら契約日の翌日から30日間無利息。期間内に返済できる少額の借入なら、利息を抑えて利用できます。
公的な制度も含めた低金利の借入方法としては、かつて年金を担保に借りられる制度もありましたが、すでに受付を終了しています。現在使える代替制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ

- 定期預金担保貸付は、定期預金を担保にその範囲内でお金を借りられる仕組み
- 借りられるのは定期預金の90%程度まで(ゆうちょ銀行は1口座300万円、りそな銀行は200万円が上限)
- 金利は定期預金の利率に0.25〜0.5%程度を上乗せした水準で、カードローンより大幅に低い
- 総合口座なら残高不足時に自動で貸し出され、入金すれば自動で返済される
- 期限までに返済しないと定期預金から自動的に精算される
- 自動で借りられる分、残高のチェックと使いすぎに注意
- ごく短期の借入なら、カードローンの無利息期間と比較するのも一つの方法
定期預金がある方にとって、定期預金担保貸付は「解約せずに、低金利で一時的にお金を用意できる」便利な仕組みです。条件は金融機関ごとに異なるため、まずは取引銀行で上限額や金利、返済期限を確認してから利用しましょう。


















