リバースモーゲージとは?仕組みとメリット・デメリット、向いている人

「老後の生活資金が心配だけれど、住み慣れた自宅は手放したくない」という方の選択肢の一つがリバースモーゲージです。自宅を担保にお金を借り、住み続けながら老後資金を確保できる仕組みです。
この記事では、次の内容をわかりやすく解説します。
- リバースモーゲージの仕組みと、一般的なローンとの違い
- 民間金融機関の商品と、社会福祉協議会の「不動産担保型生活資金」の違い
- 利用の流れと必要書類の例
- メリット・デメリット、利用に向いている人
結論として、リバースモーゲージは「自宅に住み続けながらまとまった資金を得られる」反面、自宅を相続財産として残せない・長生きや地価下落のリスクがある商品です。家族とよく話し合い、複数の選択肢と比べてから検討しましょう。
リバースモーゲージとは
自宅を担保にお金を借り、元金は亡くなった後に返す仕組み
リバースモーゲージとは、自宅(土地・建物)を担保にお金を借り、元金は借りた人が亡くなった後に返済する仕組みのローンです。
一般的な流れは次のとおりです。
- 生きている間は、毎月の返済が利息のみで済む商品が多い
- 借りた人が亡くなった後、担保の自宅を売却した代金で元金を返済するか、相続人が一括で返済する
- 生前に繰り上げて返済することもできる
通常の住宅ローンは「借りたお金を毎月返して残高を減らしていく」のに対し、リバースモーゲージは「最後にまとめて返す」ため、「逆(リバース)の住宅ローン(モーゲージ)」と呼ばれます。
どこで利用できる?
リバースモーゲージには、大きく分けて次の2種類があります。
| 民間金融機関の商品 | 社会福祉協議会の不動産担保型生活資金 | |
|---|---|---|
| 提供元 | 銀行・信用金庫など | 都道府県社会福祉協議会(窓口は市区町村社協) |
| 対象 | 商品ごとに年齢・収入・物件の条件あり | 低所得の高齢者世帯(要保護世帯向けの型もある) |
| 借りられる額 | 担保評価額などをもとに商品ごとに決定 | 月30万円以内、土地評価額の7割程度まで |
| 金利 | 商品ごとに異なる(変動金利が多い) | 年3%または長期プライムレートのいずれか低い利率 |
| 保証人 | 商品ごとに異なる | 推定相続人の中から連帯保証人1名が必要 |
民間金融機関の商品の一例として、住宅金融支援機構と提携した「リ・バース60」があります。住宅の購入やリフォーム、住宅ローンの借り換えなど、資金の使い道が住宅関連に限られる商品もあるため、目的に合うかどうかを確認しましょう。
社会福祉協議会の不動産担保型生活資金は、生活福祉資金貸付制度の一つです。毎月の生活資金を少しずつ借りる形で、低所得の高齢者世帯の生活を支えることを目的としています。
「ノンリコース型」かどうかは重要な確認ポイント
借りた人が亡くなった後に自宅を売却しても、借入残高に足りない場合があります。このとき、不足分を相続人に請求しない「ノンリコース型」か、請求される「リコース型」かは商品によって異なります。相続人に負担が残る可能性があるかどうかは、必ず契約前に確認してください。
年金収入のみの方が民間のローンを利用できるかどうかなど、年金受給者の借入については、こちらの記事で詳しく解説しています。
リバースモーゲージ利用の流れ

金融機関によって手順は異なりますが、一般的には次のような流れで進みます。
- 相談・事前審査の申込み
- 商品説明(家族・推定相続人の同席を求められることが多い)
- 担保物件の評価と本審査
- 契約・抵当権(根抵当権)の設定
- 融資(一括、または定期的に分けて受け取る)
- 利息の支払い(商品による)と、死亡後の元金返済
必要書類の例
- 申込書
- 本人確認書類
- 住民票・戸籍謄本
- 収入を確認できる書類(源泉徴収票、年金の通知書、課税証明書など)
- 担保物件に関する書類(登記事項証明書、固定資産評価証明書など)
必要書類は金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。申込みから融資までは、物件の評価や家族の同意の確認などがあるため、1か月以上かかることも珍しくありません。
リバースモーゲージの3つのメリット
1.自宅に住み続けながら資金を得られる
最大のメリットは、住み慣れた自宅を売らずに、まとまった資金を確保できることです。売却して賃貸に移る場合と比べ、引っ越しの負担や家賃の心配がありません。
2.生きている間の返済負担が軽い
民間の商品では、生きている間は利息のみの支払いで済むものが多く、毎月の返済負担を抑えられます。社会福祉協議会の不動産担保型生活資金は、原則として契約終了時にまとめて返済する仕組みです。
3.年金だけでは足りない生活費や住まいの費用を補える
年金収入だけでは不足する生活費や、リフォーム・住み替えなどの住宅関連費用に充てることができます。持ち家という資産を、老後の生活資金として活用できる点が特徴です。
リバースモーゲージの3つのデメリット・注意点
1.自宅を相続財産として残せない
最終的に自宅は売却されるか、相続人が借入金を一括返済する必要があります。子どもなどに自宅を残したい場合には向きません。後でトラブルにならないよう、推定相続人の同意を求められるのが一般的です。
2.金利上昇・長生き・地価下落のリスクがある
変動金利の商品では、金利が上がると毎月の利息負担が増えます。また、担保評価は定期的に見直されることが多く、地価が下がると借りられる額が減ったり、追加の返済を求められたりする可能性があります。想定より長生きして借入額が上限に達し、それ以上借りられなくなる「長生きリスク」もあります。
3.対象となる物件や人に制限がある
商品によって、年齢や収入、物件の種類・所在地に条件があります。マンションは対象外としている商品や、一定の評価額以上の物件に限る商品もあります。また、配偶者が借りた人の死亡後も住み続けられるかどうかの扱いも商品ごとに異なるため、確認が必要です。
住宅ローンを含め、ほかのローンの残高や返済状況が審査にどう影響するかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
リバースモーゲージの利用に向いている人

向いている人
- 持ち家があり、老後の生活資金や住宅関連の資金を確保したい人
- 自宅を相続させる予定がない、または家族の同意が得られている人
- 自宅に住み続けることを強く希望している人
- 利息の支払いを続けられる程度の年金などの収入がある人(民間商品の場合)
慎重に検討したい人
- 子どもなどに自宅を残したい人
- 地価の下落が見込まれる地域に住んでいる人
- 利息の支払いが難しいほど収入が少ない人(社会福祉協議会の制度や他の支援も検討を)
ほかの選択肢とも比較を
リバースモーゲージ以外にも、自宅を売却して賃貸で住み続ける「リースバック」、自宅の売却・住み替え、公的な支援制度の活用などの方法があります。生活費が足りない場合は、市区町村の自立相談支援機関や社会福祉協議会に相談するのも一つの方法です。
かつては年金を担保に借りられる公的制度もありましたが、すでに受付を終了しています。終了後に使える公的な制度については、こちらの記事で詳しく解説しています。
少額・短期ならカードローンも選択肢
リバースモーゲージは融資まで時間がかかり、手続きも複雑です。数万円程度を短期間だけ借りたい場合は、安定した収入があることを条件に、無担保のカードローンを検討する方法もあります。
たとえばアコムは、はじめて契約する方を対象に契約日の翌日から30日間の無利息期間があり、金利は実質年率2.4%〜17.9%です。ただし、申込みは20歳から72歳までで、年金収入のみの場合は申し込めません(年金以外に安定した収入があれば申込可)。借入は返済計画を立てたうえで、必要な分だけにとどめましょう。
※2026年10月時点の情報です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
アコム

| 審査時間 | 最短20分 | 融資時間 | 最短20分 |
|---|---|---|---|
| 利用限度額 | 最大800万円 | 実質年率 | 3.0%~18.0% |
アコムは、はじめての契約なら契約日の翌日から30日間無利息。年金以外に安定した収入がある方は、短期の少額借入に検討できます。
まとめ:リバースモーゲージは家族と相談してから
- リバースモーゲージは自宅を担保に借り、元金は亡くなった後に返す仕組み
- 民間金融機関の商品と、社会福祉協議会の不動産担保型生活資金がある
- 不動産担保型生活資金は月30万円以内・土地評価額の7割程度まで、年3%または長期プライムレートの低い方
- メリットは、自宅に住み続けながら資金を得られ、生前の返済負担が軽いこと
- デメリットは、自宅を残せないこと、金利上昇・長生き・地価下落のリスクがあること
- ノンリコース型かどうか、配偶者の扱い、対象物件などを契約前に必ず確認する
リバースモーゲージは、老後の住まいと資金を両立できる一方、家族の将来にも関わる大きな決断です。推定相続人とよく話し合い、複数の金融機関の商品や公的制度を比較したうえで検討しましょう。



















