借用書を使った投資詐欺の手口とは?見抜くチェックリストと相談先

「元本保証で毎月高配当」「投資ではなくお金を貸すだけだから安全」——このような誘い文句で、投資契約書ではなく「借用書」を渡してお金を集める投資詐欺があります。借用書があることで「法的にも守られている」と思い込ませるのが特徴です。
この記事では、次の内容を解説します。
- 借用書を使った投資詐欺の典型的な手口
- なぜ「借用書」が詐欺に使われるのか
- 投資詐欺に遭わないためのチェックリスト
- お金に関するその他の詐欺・違法業者の手口と相談先
結論として、「元本保証」「高利回り」「借用書を渡すから安心」という3つがそろった話は、詐欺を強く疑うべきです。借用書は、相手に返済能力や返済する意思がなければ、お金を取り戻す保証にはなりません。
借用書を使った投資詐欺の手口
実際に起きた事例
借用書を使った投資詐欺として広く報道された事例に、テキシアジャパンホールディングスをめぐる事件があります。報道によると、同社は出資者に投資契約書ではなく借用書を渡し、1口100万円の出資金に月3%の配当を上乗せした金額を「借り受けた」と記載していました。全国の多数の出資者から多額の資金を集めていたとされ、関係者は詐欺の疑いで逮捕されています。
典型的な流れ
- 知人の紹介やセミナーなどで「確実に儲かる投資話」を持ちかけられる
- 「元本は保証」「毎月○%の配当」など、好条件が示される
- 投資契約書の代わりに、会社名や代表者名、押印のある借用書を渡される
- 最初の数か月は約束どおり配当が支払われ、信用してしまう
- 追加の出資や知人の紹介を勧められる
- ある時点で配当が止まり、連絡が取れなくなる
最初に配当が支払われるのは、後から集めた出資金を回しているだけというケースが多く、新しい出資者が集まらなくなった時点で破綻します。
なぜ「借用書」が詐欺に使われるのか

「元本保証」の勧誘は法律で禁止されている
本来の投資は、元本が増えることも減ることもあるものです。不特定多数の人から元本を保証してお金を集めることは、出資法で原則として禁止されています。また、金融商品を扱う業者は、金融庁への登録が必要です。
そこで悪質な業者は、「投資」ではなく「お金を借りた」という形の借用書を作り、元本保証や高い配当を約束していることをごまかそうとします。出資者から見ると、会社名や押印のある書面があるため、「正式な契約だ」と安心してしまいがちです。
借用書があってもお金が戻るとは限らない
借用書は、お金の貸し借りがあったことを示す証拠にはなります。しかし、相手の会社に財産がなかったり、すでに資金を使い込んでいたりすれば、裁判で勝ってもお金は戻ってきません。借用書があることと、お金を回収できることは別の問題です。
高すぎる利息は法律上も問題がある
個人や会社がお金を借りる契約で利息を付ける場合、利息制限法の上限(年15〜20%)を超える部分は無効になり、出資法では年20%を超える利息の契約は刑事罰の対象です。「月3%(年36%)」のような配当を借用書で約束している時点で、まともな取引ではないと考えるべきでしょう。
法的に有効な借用書の正しい書き方や、個人間でお金を貸し借りするときの注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
投資詐欺に遭わないためのチェックリスト

投資や出資の話を持ちかけられたら、次の点を確認しましょう。一つでも当てはまる場合は、契約せずに立ち止まってください。
| チェック項目 | 注意すべきサイン |
|---|---|
| 金融庁への登録 | 金融商品取引業者などとして登録されていない |
| 元本保証 | 「元本保証」「絶対に損をしない」と説明される |
| 利回り | 相場と比べて明らかに高い配当・利回りを約束される |
| 契約書類 | 投資なのに借用書しか渡されない、契約内容の説明があいまい |
| 勧誘方法 | 知らない人からの電話・メール・SNSの勧誘、「今だけ」「あなただけ」と急がせる |
| 紹介制度 | 知人を紹介すると報酬がもらえる仕組みがある |
金融庁の登録を確認する
金融商品や金融サービスを扱う業者は、金融庁への登録が必要です。金融庁のウェブサイトで「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」を確認できます。名前が載っていない業者とは取引しないようにしましょう。ただし、登録業者の名前をかたる偽業者もいるため、連絡先や所在地が一致しているかもあわせて確認してください。
知人の紹介でも油断しない
投資詐欺は、知人や友人、家族を通じて広がることが少なくありません。紹介者自身も「儲かっている」と信じ込んでいる場合があります。「信頼できる人からの話だから安全」とは限らないことを覚えておきましょう。
その場で決めない
「今決めないと枠がなくなる」と急かされても、その場で契約やお金の受け渡しはしないことが大切です。家族や専門の相談窓口に話してから判断しましょう。
投資や投機で損失を抱え、借金を重ねてしまう構造については、バイナリーオプションを例にこちらの記事で詳しく解説しています。
投資詐欺以外にも注意したいお金の詐欺・違法業者
金融庁や日本貸金業協会は、投資詐欺以外にも次のような手口に注意を呼びかけています。
SNSなどでの「個人間融資」
SNSや掲示板で「個人でお金を貸します」と募集する個人間融資は、無登録のヤミ金業者である可能性があります。個人であっても、繰り返し貸付をする場合は貸金業の登録が必要で、無登録で営業することは違法です。法外な利息を請求されたり、個人情報や画像を悪用されたりする被害も起きています。
給与ファクタリング・後払い現金化など
「給与ファクタリング」や「後払い現金化」「先払い買取現金化」などと称して、実質的に高金利でお金を貸す手口もあります。形式は売買や債権の買取りでも、実態が貸付であれば違法なヤミ金融と同じです。
保証金詐欺・押し貸し
「融資の前に保証金が必要」とお金を振り込ませて連絡を絶つ保証金詐欺や、申し込んでもいないのに口座にお金を振り込み、高額な返済を求める「押し貸し」にも注意が必要です。
「ソフト闇金」も違法業者
「ソフト闇金」は、取り立てが穏やかなことをうたうヤミ金業者を指す俗称で、公的な用語ではありません。金融庁の資料上は無登録業者(ヤミ金)として扱われます。ソフト闇金の特徴とリスクについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
架空請求・債務整理をかたる詐欺
身に覚えのない料金や、貸金業者から債権を譲り受けたと偽って支払いを求める架空請求、「借金を整理してあげる」と言って費用だけをだまし取る手口もあります。身に覚えのない請求には応じず、相談窓口に確認しましょう。
被害に遭ったとき・不安なときの相談先
怪しいと感じた段階でも相談できます。お金を払ってしまった場合は、できるだけ早く相談してください。
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016-811
- 警察相談専用電話:#9110
- 消費者ホットライン:188
- 日本貸金業協会:0570-051-051
なお、日本貸金業協会は、協会の電話番号を偽装した不審な電話についても注意を呼びかけています。電話で個人情報やお金を求められた場合は、公式サイトに記載された番号にかけ直して確認しましょう。
お金に困っているときほど「うまい話」に注意
投資詐欺の被害は、「少しでもお金を増やしたい」「今の生活を何とかしたい」という気持ちにつけ込まれて起こることが少なくありません。一時的にお金が足りないときは、投資で増やそうとするのではなく、正規の方法で必要な分だけ用意することを考えましょう。
公的な支援制度を確認する
生活費が足りない場合は、市区町村の自立相談支援機関や社会福祉協議会に相談しましょう。生活福祉資金貸付制度の緊急小口資金では、緊急かつ一時的に生活が苦しくなった場合に10万円以内を無利子で借りられます。
正規の貸金業者・銀行を利用する
収入があり、短期間で返せる見込みがあるなら、金融庁や都道府県に登録された正規の貸金業者や銀行のカードローンを利用する方法もあります。大手消費者金融の中には、はじめて契約する方を対象に無利息期間を設けている会社もあります(アコム・アイフルは契約日の翌日から30日間など)。
ただし、借りたお金を投資に回すのは絶対に避けてください。借入は総量規制により年収の3分の1までに制限されており、返済計画を立てたうえで生活に必要な分だけにとどめましょう。
※2026年10月時点の情報です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
アコム

| 審査時間 | 最短20分 | 融資時間 | 最短20分 |
|---|---|---|---|
| 利用限度額 | 最大800万円 | 実質年率 | 3.0%~18.0% |
アコムは、はじめての契約なら契約日の翌日から30日間無利息。生活に必要な一時的な不足を補う場合に、返済計画を立てて利用しましょう。
アイフル

| 審査時間 | 最短9分 ※申込手続き完了時点から計測した最短時間であり、申込時間や審査状況などにより異なります。 |
融資時間 | 最短9分 ※申込手続き完了時点から計測した最短時間であり、申込時間や審査状況などにより異なります。 |
|---|---|---|---|
| 利用限度額 | 500万円 | 実質年率 | 4.5%~18% |
アイフルも、はじめての契約なら契約日の翌日から30日間無利息。借入は必要な分だけにとどめ、投資目的での利用は避けましょう。
まとめ

- 借用書を使った投資詐欺は、「元本保証・高配当」を借用書で約束し、正式な契約のように見せかける
- 元本保証で不特定多数から出資を集めることは出資法で原則禁止されている
- 借用書があっても、相手に財産がなければお金は戻らない
- 金融庁の登録の有無、元本保証、高すぎる利回り、勧誘方法をチェックする
- 知人の紹介でも油断せず、その場で契約しない
- 個人間融資・給与ファクタリング・保証金詐欺・押し貸しなどの違法業者にも注意
- 怪しいと感じたら金融庁・警察・消費者ホットラインに相談する
「簡単に儲かる話」はありません。借用書や押印のある書類を見せられても安心せず、少しでも疑問を感じたら、契約する前に必ず相談窓口に確認しましょう。













