海外留学の費用はどう用意する?奨学金・教育ローン・留学ローンの選び方

海外留学には、授業料や滞在費、渡航費などまとまったお金が必要です。「行きたい気持ちはあるけれど、費用をどう用意すればいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、次の点を解説します。
- 留学費用の主な内訳と、見積もりのポイント
- 返済不要の給付型奨学金・支援制度
- 返済が必要な貸与型奨学金・教育ローン・留学ローン
- カードローンを使う場合の位置づけと注意点
- 資金調達を検討する順番とスケジュール
結論として、留学費用はまず「返済不要の給付型」を探し、次に「低金利で返済期間の長い貸与型奨学金や教育ローン」を検討するのが基本です。金利が比較的高いカードローンは、出発直前の一時的な不足を補うなど、限られた場面での利用にとどめましょう。
留学費用の主な内訳と見積もりのポイント
留学にかかる費用は、行き先の国・都市、期間、留学の種類(語学留学・交換留学・学位取得など)によって大きく変わります。まずは何にいくらかかるのかを洗い出しましょう。
留学費用の主な内訳
- 学費:授業料、入学金、教材費など
- 滞在費:寮・ホームステイ・アパートなどの家賃、食費、光熱費、通信費
- 渡航費:往復の航空券、現地での移動費
- 手続き費用:ビザ(査証)の申請料、パスポート取得費、語学試験の受験料
- 保険料:海外留学保険など
- 予備費:為替の変動や急な出費に備えるお金
見積もりは「最新の情報」と「為替」を意識する
留学先の学費や物価は年によって変わります。費用の目安は、留学先の学校の公式サイト、在籍する大学の国際交流窓口、留学支援団体などで最新の情報を確認しましょう。
また、海外での支払いは為替レートの影響を受けます。円安が進むと、同じ金額の授業料でも日本円での負担は大きくなります。見積もりには、為替の変動に備えた余裕を持たせておくと安心です。
まずは返済不要の給付型奨学金・支援制度を探す

留学費用の用意を考えるとき、最初に検討したいのが返済の必要がない「給付型」の支援です。
日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度
日本学生支援機構では、海外留学を支援する給付型の制度を設けています。大学間の協定に基づく派遣留学を支援するものや、海外の大学・大学院での学位取得を目指す人を支援するものなど、複数の種類があります。
制度によって、申込み方法(在籍校を通じて申し込むか、個人で申し込むか)、対象者、支給額、募集時期が異なります。協定に基づく派遣留学の支援は学校を通じて募集されることが多いため、まずは在籍校の国際交流窓口に問い合わせてみましょう。
官民協働の留学支援プログラム
文部科学省が主導する「トビタテ!留学JAPAN」のように、官民が協力して留学を支援するプログラムもあります。返済不要の奨学金が支給されるほか、事前・事後の研修などが組み込まれているのが特徴です。募集は年度ごとに行われ、対象や要件も回によって変わるため、公式サイトで最新の募集要項を確認してください。
大学独自・自治体・民間財団の奨学金
在籍する大学独自の留学奨学金や、自治体、民間の財団・企業が提供する奨学金もあります。採用人数は少ないものの、併用できる場合もあるため、複数の制度を調べてみる価値があります。
次に検討したい貸与型奨学金と教育ローン
給付型だけでは足りない場合は、返済が必要な「貸与型」の制度を検討します。カードローンに比べて金利が低く、返済期間も長く設定されているのが一般的です。
日本学生支援機構の貸与型奨学金(海外留学向け)
日本学生支援機構には、海外の大学・大学院で学位を取得するための貸与型奨学金があります。利用には学力や家計の基準があり、対象となる留学の種類も決められています。たとえば、語学学校のみの留学は対象外となる場合があるため、自分の留学計画が対象になるかを必ず確認しましょう。
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」
日本政策金融公庫の教育ローンは、主に学生の保護者が申し込む公的なローンです。海外留学の費用も、一定の条件を満たせば対象になります。利用できる世帯の年収に上限があり、申込みから融資までに一定の日数がかかります。
教育ローンの仕組みや審査、公的ローンと銀行ローンの違いは、こちらの記事で詳しく解説しています。
銀行などの留学ローン(教育ローン)
銀行や信用金庫などの民間金融機関も、留学資金に使える教育ローンを扱っています。商品によっては、在学中は元金の返済を据え置ける期間が設けられているものもあります。
ただし、据置期間中も利息の支払いは必要で、据え置いた期間の分だけ返済総額は増えます。また、民間の教育ローンは原則として安定した収入のある人が申込者になるため、学生本人ではなく保護者が契約するケースが一般的です。金利や限度額、据置期間の有無は商品ごとに大きく異なるため、複数の金融機関で比較しましょう。
カードローンは「つなぎ」に限定して考える

奨学金や教育ローンは、申込みから資金を受け取るまでに時間がかかります。そのため、出発直前の支払いに間に合わないときに、カードローンで一時的に補うことを考える人もいるでしょう。
カードローンの金利は教育ローンより高い
カードローンの金利は、大手消費者金融で年18.0%前後、銀行カードローンでも上限は年14%前後のものが一般的です。教育ローンなどの目的別ローンと比べると高く、長期間借りると利息の負担が大きくなります。
たとえば30万円を3年(36回)で返済する場合、金利が年3%なら返済総額は約314,077円ですが、年13%なら約363,895円になります(元利均等返済で試算)。金利の差は、借入額が大きく期間が長いほど広がります。
学生本人が借りられる額は限られる
消費者金融のカードローンには総量規制があり、貸金業者からの借入れは年収の3分の1までに制限されます。アルバイト収入の学生が借りられる額は限られ、留学費用の大部分をまかなうのは現実的ではありません。
また、申込み年齢も会社ごとに異なり、プロミスは18歳から(高校生は不可)、アコム・アイフル・SMBCモビット・レイクは20歳以上が条件です。学生が利用できるローンの種類や学生ローン専門業者の特徴は、こちらの記事でまとめています。
※2026年10月時点の情報です。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
留学中の返済方法も確認しておく
留学中も、カードローンの返済は毎月続きます。海外から返済できる方法があるか、アルバイト収入が途絶える期間に返済を続けられるかを事前に確認しておきましょう。返済が遅れると信用情報に延滞の記録が残り、帰国後のクレジットカードやローンの審査に影響するおそれがあります。
学生がカードローンを使う際の注意点は、こちらの記事で詳しく解説しています。
資金調達を検討する順番とスケジュール
留学資金の準備は、出発の1年以上前から始めるのが理想です。給付型の奨学金や支援制度は募集時期が限られており、選考にも時間がかかります。
- 留学計画を立て、費用を見積もる:行き先・期間・留学の種類を決め、内訳ごとに金額を出す
- 給付型の奨学金・支援制度を調べて申し込む:在籍校の国際交流窓口に相談し、募集時期を確認する
- 貸与型奨学金・教育ローンを検討する:必要額から給付型の見込み額と自己資金を差し引き、不足分を確認する
- 家族と費用負担を話し合う:教育ローンは保護者が申込者になることが多いため、早めに相談する
- 出発直前の不足分への備え:やむを得ずカードローンを使う場合は、少額・短期で完済できる範囲にとどめる
留学資金に関するよくある質問
語学留学でも奨学金や教育ローンは使えますか?
制度によって異なります。学位取得を目的とした留学のみを対象とする奨学金もあれば、一定期間以上の語学研修を対象に含める教育ローンもあります。留学の種類と期間が対象条件に当てはまるかを、申込み前に必ず確認しましょう。
学生本人が教育ローンを申し込めますか?
公的な教育ローンや民間の留学ローンは、安定した収入のある保護者が申込者となるのが一般的です。学生本人が借りる場合は、貸与型奨学金が中心的な選択肢になります。
出発までに資金が間に合わないときは?
奨学金や教育ローンの入金時期と、授業料・航空券などの支払期限を一覧にして、どの支払いに何が充てられるかを整理しましょう。支払期限の延長や分割払いに対応している学校もあるため、留学先や留学エージェントに相談するのも一つの方法です。
まとめ:返済不要の制度から順に検討し、借入れは計画的に
海外留学の費用を用意する方法をまとめます。
- 留学費用は行き先・期間・種類で大きく変わるため、最新の情報で見積もり、為替変動の余裕も持たせる
- 最初に返済不要の給付型奨学金・支援制度を探す
- 不足分は、低金利で返済期間の長い貸与型奨学金や教育ローンを検討する
- 教育ローン・留学ローンは保護者が申込者になるケースが多い
- カードローンは金利が高く、借りられる額も限られるため、つなぎとしての少額利用にとどめる
どの方法でも、借りたお金は帰国後に返済していく必要があります。留学後の生活や就職も見据えて、無理のない資金計画を立てましょう。返済が難しくなった場合は、早めに借入先へ相談してください。















